寝ても疲れが取れない人が増えている
最近、「寝ても疲れが取れない」「夜中に何度も目が覚める」「寝つきが悪い」といった睡眠の悩みを抱える人が増えています。
厚生労働省の調査でも、日本人の約4割が睡眠に満足していないと報告されています。
仕事や子育て、スマートフォンの普及など、現代人の生活は睡眠を削りがちです。
しかし、最新の睡眠科学では「ただ寝ればいい」というものではなく、
“どのように眠るか”が健康に直結することが明らかになっています。
この記事では、科学的根拠に基づいて「睡眠の質を上げる方法」をわかりやすく解説します。

1. 睡眠の役割:脳と体を同時に「リセット」する時間
私たちは眠っている間に、脳や体のメンテナンスをしています。とくに注目されているのが、脳の中を流れる「グリンパティック(glymphatic)系」という“お掃除システム”。
ノーベル賞級の研究として知られる米国ロチェスター大学の研究(Xieら, Science, 2013)によると、睡眠中は脳の間隙(細胞のすき間)が拡がり、老廃物や代謝産物が効率的に除去されることが確認されました。
つまり、睡眠とは「脳のゴミ出し時間」。
眠らないと、脳に不要なタンパク質が溜まりやすくなり、集中力や記憶力の低下、認知症リスクに関係する可能性もあります。

2. 7時間睡眠が「健康の鍵」
米国疾病対策センター(CDC)や日本睡眠学会によれば、成人に推奨される睡眠時間は7時間以上。
6時間以下の睡眠が続くと、以下のようなリスクが報告されています。
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肥満・糖尿病・高血圧などの生活習慣病
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うつや不安障害などのメンタル不調
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免疫力の低下、風邪をひきやすくなる
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注意力の低下や仕事のパフォーマンス低下
つまり、「寝不足」は単なる怠けではなく健康を脅かすリスク要因。
7時間前後の睡眠を「最低限の自己投資」と考えて、優先順位を上げる必要があります。
3. 体内時計と睡眠リズムの関係
人間の体には「体内時計(サーカディアンリズム)」という24時間周期のリズムがあります。
朝になると体温や血圧が上がり、夜になると睡眠ホルモン「メラトニン」が分泌されて眠気が強くなる。このリズムが整っていると、自然に寝つきがよくなります。
しかし、夜遅くまでスマホを見たり、朝に強い光を浴びなかったりすると、体内時計がずれて**“時差ぼけのような状態”**になります。
睡眠リズムを整える3つのポイント
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毎朝同じ時間に起きる(休日も含めて)
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朝日を浴びて体内時計をリセットする
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夜は明るすぎる照明を避ける
体内時計は「朝の光」でリセットされるため、朝にカーテンを開けて日光を浴びることがとても大事です。

4. 夜のスマホとブルーライトの影響
「寝る前のスマホ」が眠りを妨げる理由は、ブルーライトだけではありません。
アメリカのハーバード大学の研究(Changら, PNAS, 2015)では、夜に電子書籍を読むとメラトニンの分泌が抑制され、眠気が遅れることが示されています。
さらに近年の研究では、
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画面の光そのもの
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SNSや動画の内容が刺激的で脳を興奮させること
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夜遅くまでの情報処理が「脳を起こしてしまう」こと
が複合的に影響しているとわかってきました。
寝る前のスマホ対策
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寝る1時間前にはスマホ・PCをオフに
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ナイトモードやブルーライトカットモードを活用
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ベッドではスマホを使わない
「スマホは目覚まし代わりに枕元」も要注意。寝る直前までSNSを見ると、脳が「まだ昼間」と勘違いします。

5. 睡眠の質を上げる生活習慣(睡眠衛生)
睡眠の専門家が共通してススメているのが、**「睡眠衛生(sleep hygiene)」**という考え方です。これは、眠る環境や行動を整えることで自然と眠りやすくする習慣のこと。
睡眠衛生チェックリスト
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☑ 寝室は暗く・静かに・涼しく保つ(エアコンも活用)
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☑ 寝る直前のカフェイン・アルコールは控える
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☑ 寝る時間・起きる時間を毎日ほぼ同じにする
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☑ 寝床でスマホ・仕事・勉強をしない
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☑ 日中に軽い運動やストレッチをする(夕方が理想)
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☑ 寝る前はリラックスできるルーティンを作る(読書・音楽など)
これらを続けると、自然に眠気が訪れ、深く眠れるようになります。

6. 不眠対策の最新トレンド:CBT-I(認知行動療法)
慢性的に眠れない人(不眠症)に対して、欧米では「CBT-I(Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia)=不眠の認知行動療法」が主流になっています。
これは、薬に頼らず「考え方」と「行動」を変えることで睡眠を整える方法。
多くの研究(例:Trauer et al., Annals of Internal Medicine, 2015)で、薬よりも長期的な改善効果があると報告されています。
日本でもオンライン型CBT-Iが登場しており、スマホやパソコンで受けられるプログラムもあります。
7. パワーナップ(昼寝)の効果
昼間に眠気が強いときは、**20分以内の短い昼寝(パワーナップ)**が有効です。
NASAの研究では、26分の仮眠で作業効率が34%向上したという報告も。
ただし、長く寝すぎると深い眠りに入り、起きたあとに「ぼーっとする」ことがあるので注意。
昼寝は午後2時まで・15〜30分が理想です。
8. 睡眠不足が心と体に与える影響
睡眠不足が続くと、体はすぐにSOSを出します。
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感情のコントロールが難しくなり、イライラや不安が増える
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食欲ホルモン(グレリン・レプチン)のバランスが崩れて過食傾向に
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免疫力が低下して風邪をひきやすくなる
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記憶力・判断力・反応速度が低下
つまり、「寝不足」は体の中で“静かなストレス”を作り続けている状態。
睡眠は、心と体の最強のメンテナンス時間なのです。

9. 女性と睡眠リズムの関係
女性は月経周期・妊娠・更年期など、ホルモン変動が大きいため、男性よりも睡眠に影響が出やすいといわれています。
エストロゲン(女性ホルモンの一種)の減少や自律神経の乱れによって、寝つきが悪い・夜中に目が覚める・早朝に目が覚めるといった症状が起こりやすい傾向があるそうです。
そんな時は、
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寝室を落ち着いた明るさにする
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軽いストレッチや深呼吸を取り入れる
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就寝前にスマホ・テレビを見ない
などのリラックス習慣を持つことが、改善の一歩です。 
10. 今夜からできる「質のいい睡眠」を作る10のルール
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朝起きたらすぐに日光を浴びる
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寝る1時間前にはスマホ・PCをオフ
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コーヒー・お茶は午後3時以降控える
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寝る直前のアルコールは避ける
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寝室は暗く・静かに・適温(18〜20℃程度)に
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就寝前にストレッチ・入浴などリラックス習慣を
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休日もなるべく同じ時間に起きる
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日中に15分程度の仮眠を
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寝床でスマホや仕事はしない
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睡眠不足が続いたら、専門家に相談
これらを意識するだけで、睡眠の質は確実に変わります。
まとめ:睡眠を変えることは、人生を変えること
「よく眠る」ということは、単なる贅沢ではなく、脳・心・体を守る最も身近な健康法です。
最新の睡眠科学が示すのは、「寝る時間を確保する」「体内時計を整える」「夜の光をコントロールする」という、シンプルだけど続けるのが難しい3つのポイント。
まずは、今日からできることを一つだけでも始めてみましょう。
あなたの明日の集中力や気分、体調が、きっと変わるはずです。
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参考文献
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Xie L. et al., Science (2013) 「Sleep drives metabolite clearance from the adult brain」
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Chang A.M. et al., PNAS (2015) 「Evening use of light-emitting eReaders negatively affects sleep」
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CDC “About Sleep” (2024 update)
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Roenneberg T. “The Circadian System and Health” (2022, Nature Reviews)
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Trauer J.M. et al., Annals of Internal Medicine (2015) 「Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia: A Systematic Review」
